客先常駐とは
まずは客先常駐という携帯について軽く説明します。
例えばエンジニアの派遣を生業とするA社があるとします。
A社は一部上場で社員数も多く、一見優良企業のように見えます。
エンジニアになりたいたかし君はA社に正社員として入社することができました。
しかし、入社後研修を受けたたかし君が働く場所はA社ではなく、B社のオフィスだったのです。
つまり客先常駐とは、他社が抱えるプロジェクトの手伝いのために派遣されるような形態です。
客先常駐を生業としている企業では、エンジニアとして自社オフィスでで働ける可能性は限りなく低いです。
なので万単位の社員を抱えているのに、みんな派遣先のオフィスで働いているから自社ビルはとても小さいなんてこともあります。
他社のプロジェクトの手伝いでいくため、オフィスには同社の仲間がほとんどいません。
そのため会社への帰属意識が著しく低くなったり、上長が全く別のオフィスにいるため仕事で成果を上げても評価されにくい、というデメリットがあります。
客先常駐は派遣社員ではありませんが、実際派遣と変わらない仕事と言えます。
単純労働をさせられる
客先常駐のエンジニアに求められる仕事は、テスト工程や運用保守といった単純労働であることが多いです。
このような単純労働は、時間と人数だけが求められるような中卒でもこなせる地味な仕事なので、人材を育てたい企業としては正社員にやらせたがりません。
そこで正社員がやる必要がない仕事を外注し、客先常駐の社員がやらされているのです。
当然単純労働の仕事を何年やってもスキルなんて身につくはずがありません。
そのまま年を取り続ければいずれ人件費の安い若者に簡単に仕事を奪われてしまいます。
スキルがなければ転職も難しいですし、フリーランスなんて夢のまた夢です。
未経験可のワナ
客先常駐の求人はその簡単な仕事内容ゆえに「未経験可」であることが多いです。
「スキルが身につく」、「将来フリーランスで独立」、「正社員」などと甘い言葉が書かれています。
このような若者が好みそうな求人募集は客先常駐の仕事である可能性が高いです。
「働く前にしっかりとした研修があります」なんて書かれていますが、実態はというと派遣先での単重労働の手順を教わるだけです。
ひどいところだと2〜3日研修しただけですぐに派遣先に送られることもあります。
そもそも、スキルが必要なエンジニアの仕事が「未経験可」なワケがないと気づくべきです。
新卒ならしっかり教育してくれる企業も多いですが、中途の場合はほぼあり得ないです。
スキルのない人に大金をかけて教育するほど企業は甘くありません。
それならすでにスキルのある人を雇います。
職場で侮蔑される
客先常駐は他社のプロジェクトに派遣される仕事なので、職場ではアウェーな状態になります。
あからさまに差別されるということはほとんどないかと思いますが、常に「なんか見下されてるな」というもどかしさを感じながら仕事をしなければいけません。
人は誰しも下を見て安心する生き物です。
自分の仕事がうまくいかないとき、「常駐のあいつよりはマシだな」という見られ方をされてしまうのです。
職場での人間関係というのは、仕事を続けていく上で非常に重要です。
本来であれば助け合うべき職場の仲間に見下されるのはかなりキツイです。
ただでさえ単純労働で辛い仕事なのに、職場で見下されるというダブルパンチでストレスはマックスになること間違いなしです。
悪いことだけではない
多くの場合客先常駐は最悪の職場になりますが、入る会社を間違えなければエンジニアとして大きく成長するチャンスがあります。
良い会社では社員のことをしっかりと考えて単純労働の仕事はなるべく断り、スキルアップが見込めるようなプロジェクトに社員を派遣してくれます。
客先常駐では様々なプロジェクトに派遣されるため、自社開発の社員よりも幅広い知識を身につけることが可能です。
また、様々な会社に出入りするのでコミュニケーション能力次第では多くの人脈を作ることができ、フリーランスになる際に人脈が大いに役立つかもしれません。
ただし、入社する会社が社員の成長を考えた優良企業であるかどうかは入ってみるまでわかりません。
優良企業も悪質企業も求人内容は似たようなものなので判断することが難しいのです。
ネットの情報もマユツバものなのであまり当てになりません。
また、派遣されるプロジェクトも運次第です。自分の将来がかかっている仕事をそんな博打に任せるのは得策とは言えません。
以上の理由から、客先常駐の企業に入社するのはやはり避けるべきでしょう。
自社開発の元請け企業に入ろう
エンジニアになるなら客先常駐ではなく、自社開発の元請け企業に入るべきです。
しかし客先常駐は誰もが嫌がる仕事なので、自社開発の企業に入るのはかなりの狭き門です。
特に未経験者が入社するのはほぼ不可能と言えるでしょう。
なのでプログラミングスクールで最低限の技術を身につけてから応募することをオススメします。
オススメのプログラミングスクールについてはこちらの記事で紹介しています。
スクールに通うのは少し遠回りなように感じますが、自社開発と客先常駐ではその後の人生が大きく変わってきます。
将来を考えて、自分にあったスクールを選んでください。